「細菌検査室」一般公開20周年記念講演会が、長浜ホールで開かれたので、これは行かねばならぬと思い出かけた。
講演者は、ノンフィクション作家・ジャーナリストの山本厚子さん。
新進気鋭の若手作家かと思っていたら、年配の方であった。

会場の長浜ホール。

会場は満杯。

ホワイエでは、パネルの展示。

いつもながらこの自販機は、よいデザインだと思う。

こちらが、一般公開されている細菌検査室。

講演会終了後覗いてみたが、見学者は誰もおらず。
また、新規の展示物もなし。

この講演会の共催でもある「野口英世細菌検査室保存会」の人達の会誌。
300円で購入してきた。

講演会は、「中南米・アフリカにおける野口英世」というテーマで、当時の国際状況を踏まえての野口英世の事績の説明で、なかなか興味深いものがあった。
最も印象に残ったのが、野口英世とロックフェラーとの関係である。
「石油プローカーとして巨額の利益を上げ、うさんくさい成金が箔を付けるために作った研究所、当時の感覚では『5流の研究所』。
野口英世がロックフェラー研究所の知名度を上げるのに大いに貢献した。
また、野口英世も日本に帰りたくとも、日本の大学は全く相手にしてくれない。
まさに、持ちつ持たれつの関係であった。
だから黄熱病研究が失敗に終わったと分かっている現在でも、創業者ロックフェラーと野口英世の銅像が今で相対する形で置かれている。
失敗の研究でも後に続く者は、それを生かしてさらに研究を深めていく。
海外では、失敗の研究でも評価されうるということである。
エクアドルやガーナには今でも野口の前が付いた通りや銅像がある。・
銅像には『黄熱病の病原菌発見』の説明板の下に、『それは後に間違いだったと判明した』という説明板が後につけられた。
決して銅像を壊すというようなことはしておらず、評価は今でも続いている。」
というようなことであった。