2月5日の朝日新聞の記事には驚いた。
「体罰にラリッアト」という見出しで、往年の名レスラー、スタン・ハンセンのインタビュー記事、それも最近話題の「体罰問題」に関するインタビュー記事が掲載されていた。
随分とスペースがでかい。
内容としては、
スタン・ハンセンが体育教師をしていた頃に生徒に一度体罰をした経験があること、
また、彼自身の学生時代に体罰を受けた経験があること、
体罰で残るのは怒りだけ、
言葉でいい方向に導いてやるのがよい指導者、
というようなものであった。
はっきりいって毒にも薬にもならないし、大して面白くない。
おまけにこの記事には、プロレスのプの字も語られていなかった。
どうにも疑問なのは、何故63歳にもなったスタン・ハンセン、
それもアメリカに住んでいる彼が、日本の体罰問題を語らねばならないのか。
その必然性がさっぱり理解できない。
体罰⇒暴力⇒プロレス⇒スタン・ハンセン、という連想ゲームか?
これにも相当無理がある。
なにせ、スタン・ハンセンやウエスタン・ラリッアトという言葉を知っている人は、一体、日本人にどれだけいるのか。
せいぜい数パーセントだろう。それも、男性の中高年のみ。
にもかかわらず、何故スタン・ハンセン?
知らない人に当時の「不沈艦」、「ブレーキの壊れたダンプカー」といわれた彼の、また、当時のプロレスの状況を説明するのは難しい。
解説の代わりに、これでも見てほしい。
ラリアット95連発ふと思ったことは、これを書いた記者は、単なるプロレスファン、
スタン・ハンセンファンであったのではないか、
そのため彼にインタビューをしたかっただけで、
体罰問題は単に「ダシ」にされただけではないか、
ということである。
そんなことを悟られないようにするために、インタビュー記事の中にプロレスのプの字も出さないようにした、というのが私の見解である。
ただ、馬脚を露わしたのは、テキサスロングホーンの写真である。
なんでこの写真がいるの?
朝日新聞30数年前のプロレスの譲許を考えると、この記者がプロレスファンであったとしても、何ら不思議はない。
それと、「取材を終えて」という欄に「スタン・ハンセンの奥さんは日本人で、神奈川県にある奥さんの実家から都内へ電車で通勤していた」と書いてあった。
サラリーマンでもなかろうに「通勤」とは変だろう。
が、このうんちくも、なにか記者の素性を物語るひとつの傍証である。
それはともかく、日本の普通の家庭のお茶の間にスタン・ハンセン本人がいる風景というのを、私はどうにも想像
ができない。
ビールでも飲みながら義父母とは、一体どんな会話をするのだろうか。不思議な感じがする。
ところで次回は、体罰に地獄突き(アブドーラ・ザ・ブッチャー)か、
それとも体罰にコブラクロー(タイガー・ジェット・シン)か。
体罰に竹刀(上田馬之助)では、ちょっと意味が変わってしまうか。
もっとも上田馬之助は既に亡くなっているが。
体罰にかみつき(フレッド・ブラッシー)というのもどうかな。