昨日の10月21日に第17回全国報徳サミット 桜川大会に行って来た。
報徳サミットは、「全国報徳研究市町村協議会」の主催によるもので、全国の二宮尊徳ゆかりの市町村が設立した任意団体のようである。
当日配布された資料をみると、加盟市町村は
北海道:豊頃町
福島県:相馬市、南相馬市、飯館村、浪江町、大熊町
栃木県:日光市、那須烏山市、茂木町、真岡市
茨城県:桜川市、筑西市
神奈川県:小田原市、秦野市、開成町
静岡県:御殿場市、掛川市
三重県:大台町
となっている。
いずれも二宮尊徳かそのお弟子さんや子孫が活躍した地である。


この大会への参加理由は、私が参加している読書会、実はこの会は「報徳読書会」とか「報徳記を読む会」とか他にもいろいろ呼び名があって、名前がきちんと定まっていないのだが、会のリーダーであるGさんの著作と、静岡県森町のMさん著作の写真集を、報徳仕法でいう「推譲」するためである。
主催者でも関係者でもないが、頼み込んで会場の一部をつかわせて貰うことにしたという。
Gさんの著作とMさんの写真集は、ともに報徳思想を実践した明治時代の「砂糖王」と言われた鈴木藤三郎氏に関するもので、いずれも自費出版のものである。
「推譲」というのは、耳慣れない言葉であるが、文字通り「ゆずる」ことで、今の言葉で言えば「寄付」かさらには「投資」という意味合いもあるような気がする。
簡単に言えば、二人の自費出版の本を、欲しい人に無料配布する手伝いに行った、ということである。
折り悪く天候は雨であった。
朝五時半集合で、Sさんの運転する車で現地へ向かったが、激しい雨で前が見えない状態。
ようやくのこと会場へ到着した。
【会場】


幟も作ってあり、地元桜川市は、気合が入っている。


会場内は熱気にあふれていた。
参加者は、損得の研究者や学校の元先生という方が多いようである。
「先生」という言葉が飛び交っていた。
事務局の桜川市も担当は、教育委員会の文化生涯学習課であった。

静岡県森町の氷砂糖
鈴木藤三郎は森町の出身で、氷砂糖を発明した。

無料配布の本

これも無料配布の桜川市の隣の筑西市の水

関係市町村紹介パンフレット。


相馬市から大震災援助のお礼の言葉などもあった。


会場内には、二宮尊徳が設置した地元青木堰のことが詳しく紹介されていた。


二宮尊徳は、勤倹などが有名であるが、農業土木の優れた技術者である。
よくぞこのようなものを建設したものだ。
当時の人はほとんど理解できなかったであろう。
という私は、今もってこれが何故こういうものが堰になるのか、理解できない。
そういえば、バブル期に大手建設会社が、残存していた青木堰の一部を「億」で引き取りたいと言ったとか。
地元の人は、それでも手放さなかったという。


大正の頃の青木堰

サミットの閉めは、作家の童門冬二氏の講演。

300部用意した本は、全てはけた。
率直に言って、半分以上残ると私は思っていた。
素晴らしいことである。鈴木藤三郎氏も天国で感謝しているに違いない。
土砂降りだった雨は、帰りは止んでいた。